_がヰた夏の終わり
あなたが居た夏の終わり
近くにいたのに どこか遠ざかる
見つめる先は遥か遠く
足元なんか見もしなくて
茜さす 夏の空
想い出をなぞる
過ぎし日を
紅と藍で結んだ
あたしは ただ
言葉もなく
伝え損なって
あなたがいた季節を
何度も 何度も
繰り返すだけ
届かない空
何かを掴むために
振り返ることもなく
あなたは 前だけ見つめて
進んで 歩いて
あたしは
置き去りにされるの
今日が過ぎて 明日が来れば
あなたは遠くに行ってしまうのに
掴みかけた手を離して
飛び立つ背中を見送った
夏の日差しだけがこの目に焼きつく
茜さす ちぎれ雲
見上げた夏の彼方
あの空の下にいる
あなたが残した 僅かな軌跡は
果てのない 燃えるような
紅が 宵を待つ空へと
燃え尽きた
彼方へ
あなたが居た夏の終わり
繋いだその手が 解けてゆく時
終わりを告げた道の中で
紡いだ想いは星となり
たった一つの過去となる
ただそこに在った
一つの季節 夏の記憶
あなたがヰた、夏の終わり
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